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展示会は元が取れている?人件費込みで費用対効果を判定し、次回の出展を決める方法

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👉 この記事でわかること

  • •展示会の費用対効果を、人件費込みのCPLと回収期間で判定する方法
  • •商談化率を数えるために、出展前に営業と決めるアンケートの項目
  • •名刺のフォローを止めないために、出展前に決める分担と報告日
目次

展示会に毎年出ていても、「元が取れているのか」を数字で答えられないまま、次回の出展を決めていませんか。必要なのは、人件費まで入れた費用で、受注が出そろう前に判定できる数字を使うことです。この記事では、その判定のしかたと、判定に必要な数字を出展前にそろえる方法をまとめます。

👉この記事でわかること
  • 展示会の費用対効果を、人件費込みのCPLと回収期間で判定する方法
  • 商談化率を数えるために、出展前に営業と決めるアンケートの項目
  • 名刺のフォローを止めないために、出展前に決める分担と報告日

展示会の費用対効果は、人件費込みのCPLで判定し、回収期間で説明する

展示会の費用対効果は、人件費込みの費用で出したリード1件あたりの費用(CPL)を、許容CPLと比べて判定します。許容CPL以下なら、受注の段階でも1社あたりの費用は上限に収まる見込みです。経営には、受注1件の費用を何か月で取り返すか(回収期間)で説明します。

この記事の「たとえば」の数字は、基本モデル(本サイトで共通に使っている架空の製造業)の、成長期(マーケを始めて3期目)の展示会のものです。

費用には、出展料に加えて準備・当日・フォローの人件費を入れる

展示会の費用には、出展料・装飾・配布物などの外部費用に加えて、準備・当日・フォローの人件費(営業の立ち会いを含む)を入れます。外部費用だけで計算すると、人手のかかる展示会は実際より安く見えるためです。

たとえば、外部費用280万円・人件費60万円の展示会で、見込みの受注が3件・900万円なら、次のようになります(粗利率40%で計算)。

項目外部費用だけで計算した場合人件費込み
費用280万円340万円
受注1件あたりの費用(CAC)93万円113万円
1年のROI29%6%

外部費用だけなら十分に元が取れているように見えますが、人件費を入れると1年のROIは6%です。人件費の出し方は会社によって違うので、経理・財務に必ず確認してください。

出展料は販売促進費、準備の時間は各部署の人件費と、費用の置き場所が分かれる会社では、展示会1回の総額を誰も把握していないことがあります。判定の前に、費用の明細を1か所に集めます

明細の出し方はマーケティング費用の内訳と出し方|工数・ツール費・イベント費の明細を根拠のある金額にするにまとめています。

判定は、人件費込みのCPLが許容CPL以下かで決める

判定は、展示会のCPLが許容CPL以下なら「上限内」、超えたら「上限超え」とします。たとえば、費用340万円でリード120件ならCPLは2.8万円です。許容CPLが6.3万円なら、上限内と判定できます。

判定にCACを使わないのは、展示会1回の受注件数は少なく、1件の差でCACが大きく動くためです。CPLなら、会期後にリード数が出た時点で判定できます。

許容CPLは、1社あたりの費用の上限に、自社の今期の商談化率と受注率をかけて出します。展示会だけの率ではなく、マーケ全体の今期の実績の率を使います。上限の決め方は新規1社にいくらまでかけてよいか|BtoBのCAC回収期間とLTVを粗利で出し、「何年で取り返すか」を経営と決めるを参考にしてください。

商談数が出たら、見込み受注額と回収期間で確かめる

会期後の商談数が出たら、「商談数×受注率×平均単価」で見込み受注額を出し、回収期間を確かめます。BtoBの展示会は受注まで数か月かかることが多く、実績を待つと次回の出展を決める時期に間に合わないためです。

たとえば、商談12件・受注率25%・平均単価300万円なら、見込みの受注は3件・900万円です。CACは113万円で、1社あたりの月の粗利8.3万円で割ると、回収期間は13.6か月になります。受注が決まったら、その都度、実績に置き換えます。

私自身も、KPIを決めないまま出展し、費用対効果を説明できずに終わったことが何度もあります。判定に必要な数字は、出展前の準備でそろいます。

展示会のアンケートは、出展前に営業と項目を決めて選択式にする

展示会のアンケートは、出展前に営業と項目を決め、部署や検討時期は選択式にします。名刺だけでは、どの来場者が商談の候補かを見分けられず、商談化率も出せないためです。

準備期間が短い出展ほど項目の検討が足りず、集計を共有したあとで営業から「これを聞いてほしかった」と言われがちです。項目は、集計して何に使うかから決めます。

項目選択肢の例使いみち
部署製造・設計・購買・経営企画など決裁に近い人かを見分ける
検討時期3か月以内・1年以内・情報収集フォローの順番を決める
関心のある展示物展示物ごとに選ぶ担当の営業を決める

展示物が複数あるときは、全員に聞く共通の質問と、展示物ごとの質問に分けます。展示物ごとの反応を比べられます。

名刺のデータ化は、会期中に終わる仕組みにする

名刺のデータ化は、名刺スキャンのアプリやQRコードから答えるアンケートを使い、会期中に終わらせます。エクセルへの手入力だと、一覧を共有するまでに数日かかり、業種や部署の書き方もばらついて、集計の前に手直しが要ります。

😄 私も以前、名刺のデータ化を担当したときに、部署名を自由に書いてもらう形にしてしまい、集計のたびに表記をそろえる手間がかかりました。集計を共有すると、営業から「これも聞いてほしかった」という声も出ました。アンケートは、集計した結果を誰が何に使うかを、作る前に営業と決めておくと手戻りがありません。

名刺のフォローは「誰が何社・いつ報告するか」を出展前に決める

名刺のフォローは、出展前に「営業1人あたり何社」と「結果の報告日」を決めておきます。決めていないと、会期後の通常業務に押されてフォローが止まります。

お礼メールは、当日か翌日に送ります。現在はアンケートや名刺スキャナーにより現場で即時デジタル化できるため、データを取り込み次第、テンプレを活用して各自で即送付するフローを組むのがベストです。ツールがない場合は、名刺の一元管理や振り分けなどの細かな役割分担は避け、名刺を受け取った担当者が先にお礼メールを送るなど、初動を最優先してください。

📌参考:マーケが獲得したリードの放置

BtoBの営業・マーケ担当者への調査では、マーケが獲得したリードが「明らかに放置されている」と答えた人が25.2%いました。
出典:
One Marketing「営業とマーケティングの連携実態調査」(n=500、2024年11月実施)

「出展すること」が目的の展示会は、判定の前に目的を決め直す

毎回決まって出る展示会や、予算があるときだけ出る展示会は、判定の前に「新規の商談を取るための出展か」を決め直します。目的とKPIがないまま続く出展には、判定の物差しがありません。

出展したこと自体が成果として報告される組織では、会期後のフォローの数字を誰も見なくなります。既存の取引先からの仕事が中心で、新規開拓の必要を感じにくい会社ほど、この状態になりがちです。取引先の紹介で出展を決めたときも同じです。

目的を決めたら、次の表で判断します。

状況判断
新規の商談が目的で、人件費込みのCPLが許容CPL以下続ける
商談が少なく、フォローが途中で止まっていたフォローの手順を直して、もう一度測る
フォローも回したのに、CPLが許容CPLを超えた小間を小さくするか、出展をやめる
既存顧客との関係づくりが目的来場した既存顧客の数など、目的に合った数字で判定する
😄 私が見てきた企業では、出展したことが評価面談の報告材料になり、会期後のフォローには手が回っていないことがありました。出展を決める時点で「何件の商談を取りにいくか」を決めておくと、出展そのものが成果として扱われにくくなります。

経営陣に説明するときの一文

  • 「今回の展示会は、人件費を含めて340万円。見込みの受注は3件で、1社あたりの費用113万円を13.6か月で取り返せます。1年のROIは6%です。」
  • 「リード1件の費用は2.8万円で、上限の6.3万円に収まっているので、次回も出展します。」

まとめ

  • 展示会の費用対効果は、人件費込みのCPLを許容CPLと比べて判定し、経営には回収期間で説明します。
  • 判定に使う数字は、出展前に決めるアンケートの項目と、フォローの分担・報告日でそろいます。
  • 目的のない出展は、判定の前に目的を決め直します。

よくある質問

Q1.既存顧客との商談は、展示会の成果に入れますか?

A1. 分けて数えます。判定には新規のリードと商談だけを使い、既存顧客との商談は別の行に書きます。混ぜると、展示会がなくても進んでいた商談まで成果になり、費用対効果を高く見誤ります。

Q2.受注まで1年以上かかる商材でも、判定できますか?

A2. できます。判定はリード数が出た時点のCPLで行い、商談数が出たら見込み受注額と回収期間で確かめます。受注が決まったら実績に置き換え、次の判定に使います。

Q3.小さな展示会や合同出展でも、費用対効果を測るべきですか?

A3. 測ります。出展料が小さくても、準備とフォローの時間はかかるため、人件費を入れるとCPLが許容CPLを超えることがあります。アンケートの項目とフォローの報告日は、規模にかかわらず決めておきます。

Q4.出展料に補助金を使った場合、費用はどう数えますか?

A4. 補助金を引く前の総額で判定します。補助金は毎回使えるとはかぎらないため、続けるかの判断は総額で行い、実際の負担額は別の行に書きます。

この記事の計算に使った数字

本文の「たとえば」は、基本モデル(架空の製造業)の成長期(マーケを始めて3期目)の展示会の数字です。業界の平均や目安ではありません。金額の単位は万円で、計算は丸める前の値で行い、結果だけを丸めています。

項目値計算式
外部費用(出展料・装飾・配布物)280―
人件費(準備・当日・フォロー、営業の立ち会いを含む)60マーケの人件費370×展示会の時間120÷施策の時間の合計742
費用合計340280+60
リード120件―
CPL2.8340÷120
許容CPL6.3CACの上限150×今期の商談化率×受注率(42÷285×12÷42)
商談12件リード120×展示会の商談化率10%
見込みの受注3件商談12×展示会の受注率25%
見込み受注額9003件×平均単価300
粗利360900×粗利率40%
CAC113340÷3
回収期間13.6か月113÷1社あたりの月の粗利8.3(250×40%÷12)
1年のROI6%(360−340)÷340
CACの上限1501社あたりの年間粗利100(250×40%)×取り返す年数1.5年
参考:外部費用だけで計算したCAC93280÷3
参考:外部費用だけで計算した1年のROI29%(360−280)÷280

この記事の執筆者

coconeco
coconecoLead Manager

デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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